カラー印刷はイエロー(黄色)、マゼンダ(赤)、シアン(青)の3原色にブラック(黒)を加えた4色のインキで多彩なカラーを再現します。4つの色の割合を少しずつ加減することで、写真画像のような微妙な色の違いも再現できるのです。
印刷の色再現の仕組みとプリンターなどとの違いを見てみましょう。
カラー印刷の知識
オフセット印刷の色
カラー印刷を倍率の高いルーペなどで見てみると、細かな点の集合が見えます。この点を網点といい、4色の網点の大きさを微妙に変えることで、多彩な色を再現します。これら基本の4色のインキのことを「プロセスインキ」、4色で再現された色を「プロセスカラー」といいます。
また特色と呼ばれ、あらかじめ特定の色のインキを練り合わせて調合したものがあります。さらに金・銀・パールなどの特殊な金属色のインキもあります。一般的にはプロセスインキ以外のインキを特色といっています。
プロセスカラーチャート
文字タイトルの色などを指定する場合には、プロセスカラーの混合割合で指定します。DTPレイアウトソフトなどにあるCMYKの色設定が、これと同じです。Cはシアン、Mはマゼンダ、Yはイエロー、Bはブラックです。印刷に際しての色は「C20+M40」という具合に指定します。
右の図はカラーチャートをホームページ用に再現したものです。カラー印刷の色指定に使われるカラーチャートは、プロセス4色のカラー印刷で、10%きざみの細かなチャート図になっていて、通常数10ページ程度の本になって販売されています。
カラーチップ(特色)
カラーチップは、特色印刷を指定するときに使います。例えばオレンジ色や緑色など、4色プロセス印刷以外のインキで印刷する場合に使います。
4色プロセスカラーの色指定にカラーチップを使うと、指定通りの色再現ができないことが多いので、プロセスカラーの指定でやることが重要です。
カラープリンターの色
カラープリンターは、4色プロセスカラー印刷とほぼ同様の仕組みで色再現を行います。 カラーレーザープリンターやカラー複合機は、CMYK4色のトナー粉末を高熱で紙面に定着させます。またインクジェット式は、CMYK4色の原色インキを紙面に噴霧して色再現を行います。人気の写真画質のカラープリンターは、4色の他に補色としてさらに2~3色のインキを使い、写真プリントをしのぐ高画質な色再現を行っています。
トナー方式
CMYK4色のトナー粉末を使って色再現を行っているので、プロセスカラー印刷に比較的近い色再現が可能です。そのためプロセスカラー印刷の色校正の代わりに使われたり、最近では小ロットカラー印刷物として、最終成果物として使われています。
インクジェット
一般ユーザー用として、普及しているカラープリンターです。6色、7色など非常に高画質な色再現が可能な機種が低価格で普及しています。
一般ユーザー向けのため、プリントサイズがA4サイズなどに限られたり、大量プリントには向いていません。 プロ用のデジタルカラー校正機には、インクジェット方式のものがあります。