東京グラフィックス会長就任のごあいさつ
逆境をチャンスに変えて ~情報サービス業の利点を活用~
公益社団法人東京グラフィックサービス工業会
会長 清水 隆司
昨今、印刷関連企業の廃業・倒産が増加し、東京グラフィックスに限らず、あらゆる印刷関連団体の会員減少に歯止めがかからない状況です。菅野前会長が推進した「団体課題別人材力支援事業」のような、会員メリットとなる事業を模索し、退会防止に力を入れていきたいと思います。
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これまでの事業や体制を引き継ぐ上で、これからの会員企業に必要なものを見定め、各委員会活動を見直し、より必要とされる情報を発信していきます。前年度に東京グラフィックサービス工業会コンソーシアムが受託し、引き続き推進する「団体別採用力スパイラルアップ事業」では、「働き方改革」と「女性活躍推進」をメインテーマとして、中小印刷会社の課題解決につながるコンサルティングやセミナー、リクルーティング動画の制作などを実施します。
東京グラフィックス会員は地域密着型企業が多く、今回のCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響は甚大です。支援策としては、様々な「モノ」がインターネットでつながるIoTや、情報通信技術を意味するICTを活用したCOVID-19対応策を発信していきたいと思います。また、都政へ減税対応・補助金・助成金などの要望の提出を考えています。
COVID-19収束は早くても来年3月になるという声もあり、2020年度は、会員が集まるような活動は難しいかも知れません。役員・委員は、ZOOM等を利用したWeb会議で議論し、各事業から会員に役立つ情報を洗い出していきます。
Web会議ツールは、面と向かって話せないことの弊害はありますが、大勢の中でも質問しやすいなどのメリットもあることから、Web会議ツールを利用した研修・勉強会などを活発に開催していきたいと考えています。また、ジャグラBBと連携してセミナーを発信することで、受講時間に融通がきくようになり、会社の代表者だけでなく社員の育成にも活用できるようになります。このような状況だからこそ、会員メリットを高め、必要とされる団体を目指します。
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コロナショックで業務進行だけでなく働き方自体の見直しが必須となり、業績を保つことが困難となっていますが、通信販売業は売上を伸ばしているようです。印刷業界はWebやNetに親和性があり、その運用ノウハウを持つ産業です。情報サービス業としての利点を最大限活かすことが、この危機を乗り越える手立てになるでしょう。
一方、在宅・リモートワークの推奨で1日中PCの画面を見つめている人が増え、仕事後に読む本や、情報収集、勉強で使う媒体として紙の需要を見込めるため、紙とNetを融合した提案が可能だと考えています。このようなアイデアや、デジタル名刺などの今後伸びていく商材を紹介することで、会員企業の助けになればと思います。
COVID-19で今までの常識が見直されてきていることを、ある意味チャンスと捉えることもできます。強い結束力を持つ東京グラフィックス・ジャグラをはじめ、他の印刷関連団体とも手を差し伸べ合い、ともに逆境を乗り越えましょう。
東京グラフィックス会長退任のごあいさつ
菅野 潔
5月27日をもちまして、2期4年の東京グラフィックス会長を退任いたしました。この間、会員・賛助会員の皆様には一言では表せないほどのご支援をいただき、また、事務局職員には多大なバックアップをしていただきましたことを深く感謝申し上げます。定時総会当日には、佐藤斉一賞として金一封、本会からは芳純なユリの花束を頂戴いたしました。予期せぬことで、十分なお礼の言葉も述べられませんでした。改めて皆様のお心遣いに感謝申し上げます。
4年間を通し特別なことはできませんでしたが、少しでも事務局職員の働きやすい環境づくりを考え、進めてきたつもりです。清水新会長とは先日引き継ぎもいたしました。会長交代に当たり大切なことは、今後も長く続く東京グラフィックスの運営において、新たな試みは積極的に、一方で決め事は維持・継続していって頂きたいという思いでおります。
最後に、これからも会員サービスのために、知識・技術の向上と親睦による会員の交流を通じて、東京グラフィックスならではの「絆」を大切にし、さらなる邁進を楽しみにしております。4年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。